映画

『ムガリッツ』吐きだされるムガリッツへの<怒り>本編映像

毎年11~4月、メニュー開発のため休業する、スペインの有名店<ムガリッツ>。世界屈指の“異端の名門”との呼び声も高い<ムガリッツ>の革新的な料理の誕生プロセスを追ったガストロノミック・ドキュメンタリー『ムガリッツ』が9月19日(金)より公開される。この度、「あんなに創造的な怒りを表す人はいない」―吐き出される<ムガリッツ>への怒りに対して敬意を表すシーン映像を解禁。同時に、まるでアートピース、劇中に登場するメニューの一部を紹介しよう。

スペイン・バスク地方、ガストロノミーの中心地。ミシュランガイドに「レストラン以上の存在」と評され、2つ星を獲得した名門<ムガリッツ>の名前は、21世紀に入る頃から、業界で大きな注目を浴び始めた。グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブル、カトラリーを排して手や舌を直接使って味わう料理……。『ムガリッツ』の革新的な厨房に潜入したカメラは、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を作り上げるメニュー開発の様子に密着する。

「あんなに創造的な怒りを表す人はいない」―映像は“体験は美食であると同時に遊びでもある“というアンドニシェフの言葉を象徴するシーンを捉えたもの。<ムガリッツ>が掲げる“今年のテーマ”を示すため、毎年テーブルに置かれる小さな“用語集”。シェフ、スタッフ、そして客までもが、食体験に意味を持たせるために協力し合って定義した用語が詳しく書かれているこの小さな冊子には、客が感想を書き込むこともできる。

書かれる言葉は、愛ある手紙や絵、そして吐き出される<ムガリッツへの怒り>。ある年、出てくる料理に怒った夫が「用語集のページを破りまくっていた記憶をたどったスタッフがその事実に「あんなに創造的な怒りを表す人はいない」と振り返り、客に敬意を表す様子は、まさに<レストラン以上の存在>の呼び名に相応しいシーンとなっている。

以下、本編に登場するメニューの一部をご紹介。料理の多くが手で直接食べるもので、古典的な順序には従わず<ルールを破ることほど好きなものはない>というシェフの概念にふれることのできるこれら品々は、料理の枠を超え、まるでアートピースのようなラインナップとなっている。

従来のレストランコードをこともなげに崩し、ゲストの好奇心を誘い、五感を研ぎ澄まさせ、独自の世界観で今までになかった食空間を生み出した<ムガリッツ>。ムガリッツは、毎年11~4月の6か月間は休業し、この期間はスタッフ総出で、メニュー開発に専念する。その年に誕生した料理が翌年以降に提供されることはなく、革新的なメニューはつねに更新され続けるー。そんな異端の名門ムガリッツの研究開発チームに密着、メニュー開発の舞台裏を追ったドキュメンタリーが誕生した。監督をつとめたのは、『REC』シリーズなどのホラー作品で知られるパコ・プラサ氏。もともと<ムガリッツ>の熱心なファンだった彼が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜入、ついにその全貌が明かされる。

<ムガリッツ>のオーナーシェフはアンドニ・L・アドゥリス。革新的な料理法や「分子ガストロノミー」を先駆けて取り入れ、世界中の料理界に大きな影響を与えた有名な三つ星レストラン<エル・ブジ>など、名だたるレストランで修行後、1998年3月にムガリッツを開店。今や世界中の料理人から熱い羨望の眼差しを受ける<ムガリッツ>を育てあげた。

レストランとは従来、美味しいものを食べる場所であったかもしれない。だが、ここは、レストランの定義を超えた、ガストロノミーのフロンティアであり、口にするのは、“世界をひらく鍵”。

映画『ムガリッツ』は2025年9月よりシネスイッチ銀座ほか順次ロードショー。

『ムガリッツ』公式

【CAST&STAFF】
監督:パコ・プラサ 脚本:パコ・プラサ、マパ・パストール
提供:ティー ワイ リミテッド 配給:ギャガ/原題:『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』/2024年/スペイン/カラー/96分/字幕翻訳:比嘉世津子
公式HP:https://gaga.ne.jp/mugaritzmovie/
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