公開記念舞台挨拶
日程:5月24日(土)
場所:新宿ピカデリー
登壇:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、曽根剛監督
俳優の大地真央が24日、都内で行われた主演映画『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』の公開記念舞台あいさつに登壇した。イベントには、コシノ三姉妹を演じた黒谷友香さん、鈴木砂羽、水上京香、そして本作のメガホンを取った曽根剛監督も登場し、映画にまつわるトークを展開した。
本作は、日本のファッション界に大きな影響を与えたデザイナー・コシノアヤコ氏の波乱に満ちた人生を描いた作品。昭和から平成にかけて活躍したコシノ三姉妹の母であり、業界の先駆者として“ゴッドマザー”と称された彼女の半生を、丁寧に描き出している。
冒頭では、今回の公開記念舞台あいさつのチケットが発売開始からわずか1分で完売したことが伝えられ、会場からは大きな拍手が起こった。これを受けて主演の大地は、「どうもありがとうございました」と丁寧に感謝の言葉を述べた。
今作が初の主演作品でありながら、15歳から92歳までの幅広い年齢の役柄を一人で演じたことについて尋ねられると、大地は「ちょっと今、焦ってます。もう、開き直りながらやりました」と照れ笑いを見せた。さらに、役作りのコツについて聞かれると、「自分が音楽学校の予科生だった頃を思い出しながら演じました。それと、あとは監督にお任せしました」と穏やかに語った。
また、劇中ではコシノ氏の葛藤も描かれていることにちなんで、「出演者自身が困難な状況をどのように乗り越えてきたか」が話題となった。大地は、自身の気持ちの切り替え方について、「私は嫌なことやネガティブなことは心の中で受け止めて、『大丈夫』ってポジティブな言葉を口に出すようにしているんです。シャワーを浴びながらそうやって声に出していると、だんだんおかしくなって笑えてきて、気持ちが軽くなるんです」と、独自のリフレッシュ法を明かした。
さらに、これまでで最もつらかった経験として、公演中に父親が他界した出来事を挙げた。「東京公演の時で、実家が淡路島だったので、すぐに戻れるかどうか分からなかった。でも、初日の幕は開くので、絶対に泣かずに舞台をやりきろうと決めました。まあ、本当にいろんな節目がありました」と、これまでの道のりを振り返りながら、静かに語った。
イベントでは、コシノ三姉妹を演じた黒谷、鈴木、水上から主演の大地へカーネーションの花束が贈られ、それぞれから感謝のメッセージが届けられた。
黒谷は、「大地さんとご一緒する中で学ばせていただいたことが本当にたくさんありました。演技の最中にもアドバイスをいただき、そのおかげで無事にシーンを終えられた場面もありました」と撮影時のエピソードを紹介。「この作品を通して、コシノアヤコさんの素晴らしさ、そして私たちが演じた三姉妹の大きな功績を知ることができ、日本人として誇らしく思いました。この役をいただけたことに感謝しています」と振り返った。また、「今後もこの仕事を続けていく中で、また大地さんと別の作品でご一緒できることを願っています。素敵なご縁に心から感謝いたします」と語り、敬意を示した。
鈴木は、「憧れの大地真央さんが自分の“お母さん”役を演じてくださるなんて、本当に夢のようでした」と喜びを語り、「撮影中は、大地さんが目の前にいるだけで胸がいっぱいになって、ドレス姿を見たときの感動を伝えたくて、つい話しかけに行ってしまったこともありました」と、撮影中の温かなやり取りを明かした。さらに、「大地さんがコシノアヤコという人物に命を吹き込み、スクリーンの中でその生き様を体現される姿を見て、女優としても、役柄である“コシノジュンコ”としても深く心を動かされました」と、感謝と尊敬の気持ちを込めて語った。
水上は、「大地さんがお母ちゃんで、黒谷さんと鈴木さんがお姉ちゃん。そんなお三方と横並びで立てていること自体が、私にとっては奇跡のようでした」と感慨深げに語った。続けて、「クランクインはロンドンでのお母ちゃんとのシーンだったのですが、どのように演じるか悩み続け、答えが出ないまま撮影が始まってしまいました。でも、大地さん演じるお母ちゃんが目の前にいたことで、『このまま最後までやりきれるかもしれない』と感じられたんです。あの日があったからこそ、今の自分があると思っています」と、大地さんへの感謝の思いを込めて話した。
三姉妹を演じたキャストからの温かな言葉を受けて、大地は「ありがとう」と笑顔を見せながら応じた。そして、「この作品に出会えたこと、監督、そしてかわいらしい三姉妹と一緒に作品を作り上げられたことを、本当にうれしく、そして誇りに思っています」と喜びを語った。
さらに、「アヤコさんの生き方から、観てくださる皆さんそれぞれに何かしらのメッセージを受け取っていただければと思います。映画はお客様に観ていただいてこそ、その意味が生まれ、私たち自身も成長できるものだと思っています」と、作品への思いを丁寧に言葉にした。最後に、「皆さまのお力を借りながら、この作品を育てていただけたらと思っています。コシノアヤコという役を演じさせていただけたことに、心から感謝しています。ありがとうございました」と、晴れやかな表情で締めくくった。

大地真央
黒谷友香 鈴木砂羽 水上京香
寺田 光 菊地麻衣 板垣 樹
浅田芭路 永尾柚乃 江原璃莉
矢田亜希子 大西礼芳 庄野﨑謙 堀田眞三 上西雄大 川﨑麻世 辰巳琢郎
温水洋一 木村祐一 市川右團次
監督・撮影・編集:曽根 剛(『カメラを止めるな!』)
製作総指揮:瀬古口精良
エグゼクティブプロデューサー:井内徳次 友田ゆうき
スーパーバイザー:伊藤崇行 青木義明 上原満 能登潤一郎 中井厚志 古塩勝彦 手塚泰生 生水義一
脚本:池田テツヒロ
音楽:宅見将典
企画協力: THE KOSHINO COMPANY
宣伝:とこしえ
配給:日活 東京テアトル
製作:テンダープロ 日本映画振興財団 東京テアトル MKタクシー アイトス 愛奈工業 ビヨンドプロパティーズ
GAORA 日本TOYO TM JAPAN
グッズ:ジュウロクホウイ
主題歌 「SPECIAL」
歌:Skoop On Somebody feat.Jeffrey”J9”Qwest
作詞曲 : Skoop On Somebody / Jeffrey”J9”Qwest
Sony Music Labels Inc. プロデュース Akiyoshi Sekoguchi TM JAPAN
ドローン撮影:市川範之
©「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会