元特殊部隊員がイラク戦争での実体験を極限まで再現したという映画「ウォーフェア 戦地最前線」が1月16日にTOHOシネマズ日比谷ほかで上映される。公開に先駆けて、複数の戦場を経験した帰還兵たちが映画鑑賞後に語った“生の声”と監督からのメッセージを収めた特別映像が公開された。

ニューヨークを拠点とする独立系映画スタジオ「A24」製作の作品。映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のアレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊の経歴を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎え、彼のイラク戦争での実体験を極限まで再現した。配給はハピネットファントム・スタジオ 。

舞台は2006年、アメリカ軍特殊部隊8名の小隊は、イラクの危険地帯・ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務に就いていた。ところが、想定よりも早く事態を察知した敵兵が先制攻撃を仕掛け、市街で突如全面衝突が始まる。

退路もなく敵兵に完全包囲される中、重傷者が続出。部隊の指揮をとることを諦める者、本部との通信を断つ者、悲鳴を上げる者……負傷した仲間をひきずり放心状態の隊員たちに、さらなる銃弾が降り注ぐ。

小隊は逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)から如何にして脱出するのか――。

公開された特別映像は、複数の戦場を経験した帰還兵たちが「ウォーフェア 戦地最前線」鑑賞後に語った声を収めたもの。

1.16(Fri)『ウォーフェア 戦地最前線』軍人&監督コメント動画

戦争の意義や目的を語る一般論ではなく、“人間として何を見て、何を感じ、何を失ったのか”に真正面から向き合った本作に対し、帰還兵たちは「兵士の特別な絆を完璧に捉えていた」「これはアクション映画ではない。リアルな人間がリアルに体験しているんだ」「これまで誰も語らなかった戦争だ」「戦争がこのように語られたことはない。帰還兵にしか伝えられない映画だ」と、そのリアリティを次々に言葉にし、戦場を知る者たちの証言こそが、この映画が“作り物ではない現実”であることを何よりも雄弁に物語る様子を捉えている。

彼らのコメントのあとに続くのは、自身もイラク戦争でネイビーシールズとして戦った経験を持ち、「シビル・ウォー アメリカ最後の日」ではリアルな戦闘描写を設計し話題を呼んだ軍事アドバイザー、レイ・メンドーサ監督からのメッセージ。

これまで数多くの戦争映画が作られてきた中で、あえて本作を制作した理由について、「過去にも優れた戦争映画はあったが、僕たちが本当に伝えたかったことは語られていなかった……」と語り、実体験を通してうまれた本作を通して改めて“戦地へ向かう”という行為そのものについて考えてほしかったと明かす。

さらに自身が参加したイラク戦争は約20年前に終結したが、自分たちにとっては「あの戦争はまだ終わっていない」と続ける。そして「たとえ報道されなくなっても、みんな感情をうまく処理できずにいる」「他の映画で描かれてきた戦争とは違うと理解してもらえた」と、兵士たちへの強い思いを重ねる。

加えて「スローモーションで人が死ぬわけでも、ラッパが鳴り響くわけでもない――それが戦争の現実だ」と強調、「曖昧に描かれた戦争映画を観て、兵士が犠牲にしたものを理解したつもりになってほしくない。見て見ぬふりをするのは自由だが、戦争は必ずまた起こる。だからこそ現実を知り、疑問を抱くべきだと思う。たとえ、戦争に行く理由に同意できなくても」と、強く訴えかける。

また、観客によりリアリティをもって戦争を体感してもらうため、「リアルさを徹底的に追求した音響表現にこだわった」ことも明言。自分が戦場で実際に耳にした音を忠実に再現することを目指したといい、その音響は観客を戦場の只中へと引き込み、兵士たちが直面した過酷な現実を否応なく突きつけるものとなっている。

【STORY】
極限の95分、映画史上最もリアルな戦場に、あなたを閉じ込める。
2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、突如全面衝突が始まる。反乱勢力に完全包囲され、負傷者が続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。混乱の中、本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオット(愛称:ブージャー・ブー(鼻くそブーの意))は爆撃により意識を失ってしまう。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは、逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)から、いかにして脱出するのか。

脚本・監督:アレックス・ガーランド(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』)
レイ・メンドーサ(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『ローン・サバイバー』軍事アドバイザー)
キャスト:ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、ジョセフ・クイン、コズモ・ジャーヴィス、チャールズ・メルトン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.
2025/アメリカ/95分/英語/カラー/5.1ch/原題『WARFARE』/日本語字幕:佐藤恵子/PG12