映画

『たしかにあった幻』 大切な人を失った者、遺された者、揺れる心を映し出すー予告編 & 場面写真解禁

本作は、“愛のかたち”と“命のつながり”をモチーフにして、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねて描く、珠玉の人間ドラマ。

フランスから来日したコリーは、神戸の臓器移植医療センターで働きながら、小児移植医療の促進に取り組んでいたが、西欧とは異なる日本の死生観や倫理観の壁は思った以上に厚く、医療現場の体制の改善や意識改革は困難でもどかしい思いを抱えていた。そんなコリーの心の支えは、屋久島で運命的に出会った恋人の迅だったが、彼の誕生日でもある7月7日の七夕に突然、姿を消してしまう。一年後、迅が失踪するはるか前に彼の家族からも捜索願が出されていたことを知ったコリーは、迅の実家である岐阜へと向かう。そこで明かされた事実から迅の出逢いが宿命的だったことがわかり愕然とするコリー。一方、心臓疾患を抱えながら入院していた少女・瞳の病状が急変するが・・・。

主人公コリーを演じたのは、『ファントム・スレッド』(17)『蜘蛛の巣を払う女』(18)などで知られるルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープス。コリーが屋久島で運命的に出会う謎めいた青年・迅には寛一郎。さらに、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏らキャストが顔を揃えた。

この度公開された予告編では、急死した息子の心臓をドナーに提供するという決断を迫られた父親(永瀬)の「もう戻ってこんとでしょ」という痛切な呟き、心臓病を抱えて移植を待つ少年・久志の母・由美(岡本玲)が漏らす「喜んでいいんかな…」という複雑な思いなど、ドナー(臓器を提供する側)とレシピエント(臓器を受け取る側)、そのどちらにも存在する深い葛藤と祈りが映し出されていく。

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