[終戦80年上映]公開記念舞台挨拶
日時：８月２日（土）
場所：テアトル新宿
登壇：のん、片渕須直監督
俳優・アーティスト、のんが2日、都内で行われたアニメ映画「この世界の片隅に」（片渕須直監督）の終戦80年上映の公開記念舞台挨拶に登壇した。
映画は、こうの史代さんの同名漫画が原作。2016年11月に公開され、戦時中を舞台に18歳で広島・呉に嫁入りした北條すず（のん）が戦時下でも健気に生きる姿を描いた。今年が終戦80年であることから、期間限定で再上映されている。
約9年ぶりに劇場で“公開”されることについて、のんは笑顔で「再び劇場で観ていただける機会をいただけて、とても嬉しいです」と挨拶。「この作品は私にとって特別な存在で、役者として歩む中で欠かせない一本になっています。長く多くの方に観ていただけていることに、心から感謝しています」と作品への思いを語りました。
のん当日は若い世代の観客の姿も見られ、のんは「戦時中の日本で何があったのかを、当時を知る方から直接話を聞く機会が少なくなってきています。そうした中で、当時の生活を想像することで、そこにあった日々や人々の思いを感じ取ることができるのではないかと思います。そしてそれを通して、自分たちの暮らしの中にある幸せにも気づけるのではないでしょうか」と語りかけました。
片渕須直監督は、本作の製作意図について「すずさんは物語の中で20歳という設定ですが、戦時中に大人として日々を生きていた方々のお話を直接聞く機会は、年々少なくなってきています。そうした記憶が遠ざかっていくなかで、それをつなぎとめたいという思いからこの映画を作りました」と振り返りました。さらに、「スクリーンの中の物語ではありますが、当時の現実に限りなく近づけたいという思いがありました。すずさんという人物は架空の存在かもしれませんが、のんさんが演じることで、記憶に残る存在として多くの方の心に留まり続けることには、大きな意味があると感じています」と語りました。
片渕須直監督トークの中では、のんが演じた「すず」に成り代わって思いを語る一幕もあった。司会者から「物語の終盤、20歳で物語が終わっていますが、その後はどう暮らしていると思いますか？」と尋ねられると、のんは「そうですね、子どもが成長して、今は言うことを聞かなくて大変です。もう16歳になっていて、9年も経つといろいろ話すようになりますね」と笑顔で答えた。
さらに片渕監督から「新幹線には乗りましたか？ まだできていないかな？ それに、話しているのは広島弁ではなく標準語では？」と問いかけられると、のんさんは「テレビを見ているので、標準語を覚えました」と返し、最後に「ほいじゃあねぇ～」と照れ笑いを浮かべながら観客に呼びかけた。
締めくくりには、「作品をご覧になった後は、ご友人やご家族と感想を語り合っていただき、物語や登場人物に思いをはせていただけたら嬉しいです。今後とも、末永くよろしくお願いいたします」と、作品への思いを丁寧に語った。
本作は戦時中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きていく女性・すずの日々を描いた物語。広島県出身のマンガ家・こうの史代の同名漫画を、片渕監督が徹底的な考証のもと約７年の歳月をかけて2016年にアニメーション映画化した。2016年の公開当初は63館でのスタートながら、累計動員数は210万人、興行収入27億円を突破。累計484館で上映される社会現象となった。
そして・・、9年ぶりに全国の映画館でリバイバル上映がスタート。
再上映を記念して、8月2日（土）に公開記念舞台挨拶を実施しました！
もし、すずがこの世界のどこかで今も暮らしていたとしたら、ちょうど100歳を迎える今年。この度、本作の再上映を記念して、8月2日（土）に公開記念舞台挨拶を実施致しました。
イベントには、主人公・すずの声を演じたのん、片渕須直監督が登壇し、公開当時からファンを増やし続け、公開から9年経っても色褪せず愛される作品となった本作への想いや、終戦80年を迎えた今、再上映されるお気持ちなどを語り尽くしていただきました！
◎原作情報
『この世界の片隅に【新装版】』(ゼノンコミックス/コアミックス)
著者:こうの史代
発売:コアミックス
上巻、下巻 好評発売中
©こうの史代/コアミックス
声の出演：のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 ／ 澁谷天外
監督・脚本：片渕須直
原作：こうの史代「この世界の片隅に」（コアミックス刊）
企画：丸山正雄 監督補・画面構成：浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督：松原秀典
音楽：コトリンゴ
プロデューサー：真木太郎 konosekai.jp
製作統括：ＧＥＮＣＯ
アニメーション制作：ＭＡＰＰＡ
配給：東京テアトル
© 2019こうの史代・コアミックス / 「この世界の片隅に」製作委員会
