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「香港映画祭2025 Making Waves」予告編も解禁

2022年、香港特別行政区設立25周年を記念してスタートしてから2023年、2024年と3年連続で連日満員御礼の大盛況となった「香港映画祭 Making Waves ー Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」が、TOHOシネマズ 六本木ヒルズへ会場を移して開催。上映作品全6本のラインナップと共に、映画祭予告編も解禁となった。

オープニングを飾るのは、『風雲 ストーム・ライダーズ』『欲望の街 古惑仔』シリーズで知られる人気俳優イーキン・チェン(鄭伊健)主演のノスタルジックなファンタジー『ラスト・ソング・フォー・ユー』(2024)。

映画『スタントマン 武替道』のセシリア・チョイ(蔡思韵)やナタリー・スー(許恩怡)、人気アイドルグループ「MIRROR」のイアン・チャン(陳卓賢)らが共演し、高知ロケによる美しい風景も見どころ。

『ラスト・ソング・フォー・ユー』

大ヒットを記録した『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で九龍城砦のボス、龍兄貴こと龍捲風(ロンギュンフォン)を演じ、日本でも熱狂的な人気を博しているルイス・クー(古天樂)主演最新作で、『トワイライト・ウォリアーズ』ソイ・チェン(鄭保瑞)監督がプロデュースしたことも話題となっているクライム・サスペンス『私立探偵』(2025)とともに、今年の大阪アジアン映画祭でも日本初上映された2作品は、今回が東京プレミア。

『私立探偵』

本映画祭が日本初上映となるのは、『グッド・ゲーム』(2025)と『フォー・トレイルズ 72時間の挑戦』(2025)。

利己的なプレイが仇となって試合に負け、仲間を失ってしまったeスポーツ選手が、新たに出会った仲間たちとチームを作りトーナメント優勝を目指す『グッド・ゲーム』は、ルイス・クー率いる映画会社「天下一電影」製作によるもの。寄せ集めのチームが助け合い、絆を育むという王道ストーリーと、ゲーム中のキャラクターを演じる俳優たちが繰り広げる生身のアクションに胸躍る人間ドラマ。

『グッド・ゲーム』

『フォー・トレイルズ 72時間の挑戦』は、今年1月に香港で公開されるや異例のヒットを記録したドキュメンタリー。香港四大トレイルを72時間以内に完走するという超過酷なイベント「香港フォー・トレイルズ・ウルトラ・チャレンジ(HK4TUC)」の模様を収め、2025年香港電影金像奨新人監督賞を受賞。

そのほか、今年の東京国際映画祭「ウィメンズ・エンパワーメント」部門でのジャパン・プレミアが決定した『私の愛のかたち』(2025)は、新進女性監督タム・ワイチン(譚惠貞)の監督2作目。脳性まひの女性を演じるフィッシュ・リウ(廖子妤/『アニタ』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』など)の熱演に注目。

『私の愛のかたち』

そして毎回、過去の名作のリマスター版を上映している本映画祭、今年は香港電影金像奨協会が選ぶ「中国語映画ベスト100」の1本にも選ばれた傑作ロマンティック・コメディ『上海ブルース』(1984)の上映が決定。

今回も、今年公開されたばかりの話題作や、注目の新人監督作品などなどバラエティ豊かなラインアップとなった。後日、来日ゲストが発表予定となっている。

上映作品

『ラスト・ソング・フォー・ユー』※オープニング作品

久別重逢/LAST SONG FOR YOU/2024年/広東語/104分

協力:大阪アジアン映画祭
監督:ジル・レオン

ミュージシャンのセンワーは、体調を崩し運び込まれた病院で、かつて自作の曲を聴かせたり、夜通し長電話をしたり共に青春を過ごした女友達と再会。だが、再会からほどなくして彼女の訃報が届く。葬儀の後、センワーのもとに彼女の娘と名乗る少女が現れる――。

『ドラゴン×マッハ!』や『SPL 狼たちの処刑台』の脚本で知られるジル・レオンの初監督作となるノスタルジックなファンタジー。主人公たちの高校時代をナタリー・スーと「MIRROR」のイアン・チャンが好演するほか、高知ロケによる美しい風景も見どころ。

『私立探偵』      

私家偵探/BEHIND THE SHADOWS/2025年/広東語、北京語/103分

協力:大阪アジアン映画祭
監督:ジョナサン・リー(李子俊)、チョウ・マンユー(周汶儒)

結婚を機に香港を離れ、移民したマレーシアで探偵事務所を営むアウヨン。迷い犬の捜索など便利屋まがいの依頼ごとばかりで、家では妻とのコミュニケーションもままならず、冴えない毎日をおくっている。同時期に依頼された3件の浮気調査を進めるなかで連続殺人事件に巻き込まれたアウヨンは、探偵のプロとしての意地をかけて犯人を追う。

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のソイ・チェン(鄭保瑞)監督がプロデュース、同作で人気をさらに拡大させたルイス・クーが主演を務めるクライム・サスペンス。

『グッド・ゲーム』※日本初上映

觸電/GOOD GAME/2025年/広東語/95分

監督:ディクソン・レオン(梁國輝)

利己的なプレイが仇となり試合に負けて仲間を失ったeスポーツ選手が、ネットカフェの店主とその娘、ゲーム好きの高齢夫婦と出会い、平均年齢20歳のチャンピオンに挑むべくトーナメントに出場し優勝を目指す。寄せ集めのチームが助け合い、絆を育む王道ストーリーと、ゲーム中のキャラクターの生身のアクションに胸躍る人間ドラマ。主人公を演じるウィル・オーと、彼の“分身”役のANSONBEANが好演、70年代から数多くのカンフー映画で活躍してきたロー・マンが妻想いの優しい夫を演じているのも見逃せない。

『フォー・トレイルズ 72時間の挑戦』※日本初上映

香港四徑大歩走/FOUR TRAILS/2023年/英語、広東語/101分

監督:ロビン・リー(ROBIN LEE)

マクレホース(麥理浩)、ウィルソン(衛奕信)、香港(港島)、ランタオ(鳳凰)の香港四大トレイル(総距離298km、標高差14500m)を、72時間以内に完走するという超過酷なイベント、「香港フォー・トレイルズ・ウルトラ・チャレンジ(HK4TUC)」。コロナ禍の2021年に開催された同イベントに参加したランナーたちの、限界に挑む勇気と不屈の精神、香港の美しい大自然と絶景を余すところなく収めた本作は、今年1月に香港で公開されるやドキュメンタリーとして異例のヒットを記録した。2025年香港電影金像奨新人監督賞受賞作。

『私の愛のかたち』

像我這樣的愛情/SOMEONE LIKE ME/2025年/広東語/105分

協力:東京国際映画祭
監督:タム・ワイチン(譚惠貞)

生まれつき脳性まひがあるメイは、絵を描くことが好きで明るく前向きな女性。娘を心配するあまり、母親はメイの意思を無視して不妊手術を検討している。ある日、障がい者のための性的サービスを提供するボランティア団体を訪ねたメイは、ボランティアのケンと出会い、精神的・肉体的解放を体験する。

『アニタ』で香港電影金像奨助演女優賞に輝くなど、作品ごとにがらりと印象を変える演技派のフィッシュ・リウがメイを熱演。2018年大阪アジアン映画祭で上映された『青春の名のもとに』(2017)に続くタム・ワイチン監督2作目。

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『上海ブルース (4Kレストア版)』   

上海之夜/SHANGHAI BLUES/2024年(1984年)/広東語、北京語、上海語/103分

協力:大阪アジアン映画祭
監督:ツイ・ハーク(徐克)

日中戦争時の上海。道化師のドレミは空襲から逃れるさなか、橋のたもとでシュウと出会う。二人は終戦後の再会を誓うが、10年後、その約束ははたされなかった。やがてナイトクラブの歌手になったシュウが住むアパートの上階にドレミが引っ越してくるが、二人は互いに気づかぬまま――。

のちに『男たちの挽歌』など数多くのヒット作を生んだ製作会社「電影工作室」の第1回作品として、設立者であるツイ・ハークが製作・監督を務めた。香港電影金像奨協会が選ぶ「中国語映画ベスト100」の1本にも選ばれた傑作ロマンティック・コメディ。

本映画祭は、才能豊かな新人監督作品や、いまなお輝きを放ち続けるクラシックの名作など、選りすぐりの香港映画を上映する企画で、昨年2024年は中国・北京、イタリア・ウディーネ、ドイツ・ベルリン、ポルトガル・リスボン、アメリカ・ハワイ ホノルル、カナダ・モントリオール、オーストラリア・シドニー、メルボルンなど7カ国8都市を巡回し、日本では東京・大阪・福岡と3都市で開催。

今年2025年、日本での開催は4回目を迎える。

「香港映画祭2025 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」は11月28日(金)~12月1日(月)TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催。

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