映画

「第34回日本映画批評家大賞」吉沢亮が主演男優賞受賞

俳優の吉沢亮が9日、都内で開催された「第34回日本映画批評家大賞授賞式」に、吉沢が「ぼくが生きてる、ふたつの世界」で主演男優賞を受賞した。

主演男優賞を受賞した吉沢は、トロフィーを手に「栄誉ある賞をいただき、光栄です」と喜びを語った。出演作の監督については、「このお話をいただく前から作品を拝見していて、いつかご一緒できたらうれしいと憧れていた方でした。その監督の作品に参加し、こうして賞をいただけたことが本当にうれしいです」と振り返った。

劇中で手話を使う役を演じるにあたり、2か月にわたって集中的に手話を学んだという吉沢は、「ゼロからのスタートでした。ただ覚えるだけでなく、手話を通じたコミュニケーションや芝居の構築の難しさを感じながらも、指導の方々に支えられながら形にできました」と感謝の言葉を述べた。

さらに撮影時のエピソードとして、「監督から『もう少し声を高くして』と指示を受けました」と明かし、「30歳で15歳の役を演じるというプレッシャーもあり、恥ずかしさや戸惑いも感じつつ、声の高さにも挑戦しました」と当時の心境を笑顔で振り返った。

同作品で吉沢の母親役を演じ、助演女優賞を受賞した忍足も、「監督や共演者と丁寧に作品を作り上げてきた」と振り返りながら、吉沢の手話表現について「コーダならではの深みを感じ、本当に素晴らしい演技だった」とその努力を称賛した。

◆作品賞:『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(呉美保監督)
◆監督賞:入江悠監督『あんのこと』
◆主演男優賞:吉沢亮『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
◆主演女優賞:河合優実『あんのこと』
◆助演男優賞:綾野剛『まる』、森優作『ミッシング』
◆助演女優賞:忍足亜希子『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
◆ドキュメンタリー賞:『大きな家』(竹林亮監督)
◆アニメーション作品賞:『ルックバック』(押山清高監督)
◆新人監督賞:山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』
◆新人男優賞(南俊子賞):齋藤潤『カラオケ行こ!』、本山力『十一人の賊軍』
◆新人女優賞(小森和子賞):長澤樹『愛のゆくえ』
◆脚本賞:甲斐さやか『徒花-ADABANA-』
◆編集賞(浦岡敬一賞):田端華子『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
◆松永文庫賞(特別賞):東映剣会
◆ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):根岸季衣『サユリ』
◆ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):草笛光子『九十歳。何がめでたい』

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