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映画『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』完成披露上映会

俳優の大地真央が14日、都内で行われた映画『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』完成披露上映会に登場した。自身初の主演映画でコシノアヤコの一生を演じた思いを明かした。

日本のファッション界に革命をおこし、デザイナーの草分け的存在のコシノアヤコ。本作は、昭和から平成を駆け抜けた“ゴッドマザー”ことコシノアヤコの物語。

舞台あいさつには、主人公・コシノアヤコ役を演じ、本作で映画初主演を果たした大地をはじめ、アヤコの娘で世界的に活躍するデザイナー・コシノヒロコ役の黒谷友香、ジュンコ役の鈴木砂羽、ミチコ役の水上京香が登壇。さらに、幼少期の三姉妹を演じた浅田芭路(ヒロコ役)、永尾柚乃(ジュンコ役)、江原璃莉(ミチコ役)、そして曽根剛監督も出席し、コシノ家を演じたキャストが初めて一堂に会する機会となった。客席には実際のコシノヒロコさんとコシノミチコさんの姿も見られた。

大地は、「初めて皆様に映画をご覧いただくということで、ドキドキとワクワクが入り混じっています」と少し緊張した様子で挨拶。出演のオファーについては、「世界的に知られる三姉妹の母親役で、15歳から92歳までの幅広い年齢を演じるというお話をいただき、『映像だからこそできることですね』と驚きました」と当時の心境を明かした。

その後、多くの資料を読み込む中で、「なんて魅力的な方なんだろう」とアヤコの人物像に惹かれたといい、「自分にはまだ早いかもしれないと感じながらも、思い切って挑戦させていただこうと思いました」と語った。撮影を振り返り、「プレッシャーもありましたが、実際に演じてみるととても楽しく、1ヶ月間充実した時間を過ごすことができました」と笑顔を見せた。

また、演じるうえで難しさを感じた年代について尋ねられると「やはり15歳です」と即答しつつ、「でも演じていてとても楽しかったです。なんて図々しいんでしょうね」とユーモアを交えて会場を和ませた。

大地真央

黒谷は、本作でコシノアヤコ(大地真央)の長女であり、世界的に活躍する日本を代表するデザイナー・コシノヒロコ役を務めた。

実在の人物を演じる機会はあまり多くないとし、その重みを感じながら役に臨んだという。コシノヒロコさんのこれまでの歩みについては、著書や映像資料などを通じて丁寧に学び、理解を深めていったそうだ。

さらに、撮影前にはヒロコさん本人との対談の機会もあり、「頑張ってね」と直接声をかけてもらったことが大きな励みになったといい、「その言葉に支えられて、最後まで演じきることができました」と感謝の気持ちを込めて語った。

黒谷友香

ジュンコ役を務めた鈴木は、役柄を引き受けた当初の心境について「自分に務まるのか不安があった」と振り返った。実在する人物を演じることに対する緊張から、まずご本人に直接挨拶をしたものの、その時は少し緊張していた様子。

「恐れ多い気持ちで『鈴木砂羽と申します。ジュンコ先生を演じさせていただきます』と伝えたところ、『うん、いいんじゃない』とお言葉をいただき、安心しました」と当時のやり取りを笑顔で回想した。

さらに最近、ジュンコさんご本人から「自分を演じてもらえてよかった」と声をかけられたことがあったそうで、「とても嬉しかったです」と喜びをにじませた。

鈴木砂羽

ミチコ役の水上京香は、役作りにあたって「まず髪を金色に染めました」と笑顔を見せながら語った出演者は、モデルとなったコシノミチコさんとの交流を通じて役に向き合った様子を明かした。実際に一緒に食事をしながら当時の母娘のエピソードを聞いたり、劇中で着用する衣装をミチコさんからお借りしたりするなど、丁寧に準備を重ねたという。

外見だけでなく、内面からも役に近づこうと努力を重ね、「あとは思い切って現場に飛び込むしかない」という覚悟で撮影に臨んだと話す。また、主演の大地真央さんをはじめとする共演者たちの温かなサポートに支えられ、「本当に家族のような雰囲気の中で、毎日が楽しい撮影期間でした」と充実した時間を振り返った。

大地は続けて、「これまでにもガブリエル・シャネルを12歳から72歳まで、マリー・アントワネットを12歳から、クイーン・エリザベスを17歳から演じた経験がありましたが、コシノアヤコさんは特に身近に感じられる存在でした」と語った。プレッシャーは大きかったものの、「もっとたくさんご紹介したいような興味深いエピソードがまだまだあると感じるほど、楽しく取り組めました。撮影は約1か月ほどでしたが、非常に充実した時間を過ごさせていただきました」と振り返った。

また、本作では通常の大河ドラマのように年齢ごとに複数の俳優が演じ分けるのではなく、1人の俳優がひとつの人生を通して演じきるという構成になっており、大地もその点について「お話をいただいた時に、ひとりの人生を通して演じるというコンセプトに共感しました。ただ、いざ自分がそれを担うと聞いた時には、やはり戸惑いもありました」と率直な心境を明かした。

特に難しかった年代について尋ねられると、「15歳ですね」と笑いながら答え、「でもとても楽しかったんです。すっかりその気になって演じていました」と、チャーミングに語った。

この日のトークセッションでは、幼少期のコシノ三姉妹を演じた子役たちが、母親役を務めた大地真央について語る場面があった。

ヒロコ役の浅田は、「いつも笑顔でパワフルな方で、撮影中もたくさん声をかけてくださり、本当に元気をいただきました。お母さんのような存在として接していて、そのおかげで撮影も頑張れたと思います。とても尊敬しています」と温かいまなざしで話した。

浅田芭路

ジュンコ役の永尾は、「とても優しくて素敵な方です。演技ももちろんすばらしいのですが、それだけでなくすべてにおいてすごいと思いました」とやや興奮気味に話し、会場の笑いを誘いつつ「やさしさが印象に残っています」と感謝を述べた。

永尾柚乃

最後にミチコ役の江原は「優しかったです」とにっこり笑顔でコメントし、和やかな雰囲気に包まれた。

江原璃莉
『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』©「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会

大地真央
黒谷友香 鈴木砂羽 水上京香
寺田 光 菊地麻衣 板垣 樹
浅田芭路 永尾柚乃 江原璃莉
矢田亜希子 大西礼芳 庄野﨑謙 堀田眞三 上西雄大 川﨑麻世 辰巳琢郎
温水洋一 木村祐一 市川右團次
監督・撮影・編集:曽根 剛(『カメラを止めるな!』)
製作総指揮:瀬古口精良
エグゼクティブプロデューサー:井内徳次 友田ゆうき
スーパーバイザー:伊藤崇行 青木義明 上原満 能登潤一郎 中井厚志 古塩勝彦 手塚泰生 生水義一
脚本:池田テツヒロ
音楽:宅見将典
企画協力: THE KOSHINO COMPANY
宣伝:とこしえ
配給:日活 東京テアトル
製作:テンダープロ 日本映画振興財団 東京テアトル MKタクシー アイトス 愛奈工業 ビヨンドプロパティーズ
GAORA 日本TOYO TM JAPAN
グッズ:ジュウロクホウイ
主題歌 「SPECIAL」
歌:Skoop On Somebody   feat.Jeffrey”J9”Qwest
作詞曲 : Skoop On Somebody / Jeffrey”J9”Qwest
Sony Music Labels Inc. プロデュース Akiyoshi Sekoguchi  TM JAPAN
ドローン撮影:市川範之
©「ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜」製作委員会