『青春ゲシュタルト崩壊』の完成披露試写会が5月12日(月)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、佐藤新(IMP.)、渡邉美穂、瀬戸朝香、戸田菜穂、田辺桃子、新井美羽、藤本洸大が登壇した。
スターツ出版が運営する小説投稿サイト「野いちご」で開催された第5回「野いちご大賞」で大賞を受賞した丸井とまとの小説『青春ゲシュタルト崩壊』が実写映画化されることが決定しました。W主演を務めるのは、IMP.の佐藤新さんと女優の渡邉美穂さんです。
佐藤が演じるのは、高校2年生の朝比奈聖。派手な外見や粗暴に見える態度から誤解されがちな一方で、人の痛みに寄り添う優しさを持つ人物です。IMP.のメンバーとしても活躍する佐藤さんが、繊細な心を抱えた高校生役に挑みます。対する渡邉は、ある日突然「青年期失顔症」という症状に見舞われ、自分の顔が認識できなくなる間宮朝葉を演じます。脚本は三浦希紗さんが担当し、二人の青春の葛藤と絆を描き出します。
撮影エピソードとして、佐藤は劇中の自転車での“二人乗り”シーンについて、「人生で初めての経験で、共演者の渡邉にケガをさせないように、スタッフの方と何度も練習を重ねました」と振り返りました。「本番は緊張しているのがわかってしまうかもしれません」と語りつつも、印象に残る場面の一つとなったそうです。

一方の渡邉は、「佐藤さんの背中から“落とさないぞ”という意気込みが伝わってきました。姿勢がとても良くて、思わず“まな板でも入っているのかな?”と思うくらいでした」と笑顔でエピソードを語り、佐藤の真剣な取り組みに感心していた様子でした。

藤本は、佐藤との共演シーンが多かったことに触れ、特に印象に残っているのは水泳のシーンだったと語りました。「水泳が苦手で、これまで避けてきたこともありましたが、今回の撮影で初めて本格的に向き合うことになりました。そんなとき、佐藤がアドバイスをしてくださって」とエピソードを披露。佐藤は「小学生の頃に習っていたので」と話し、和やかなチームワークがうかがえる場面となりました。

また、田辺は「球技があまり得意ではないのですが、なぜかバスケ部の役をいただいて」と語り、会場の笑いを誘いました。「渡邉美穂さんはずっとバスケをされていたそうで、現場でも明るく、みんなを和ませる存在でした。特にバスケットボールを手にすると、より自然体になっていたのが印象的で、“ボールが恋しかったんだな”と感じるような、微笑ましい光景でした」と振り返り、共演者との和やかな関係性をにじませていました。

母親役を演じた戸田は「渡邉さんが、まるで魂のかたまりのように感情をぶつけてくれたので、それを受け止めながら自然な気持ちで演じることができました」と振り返り、「この作品は若い世代に届けたいのはもちろんですが、親世代の方々にも、子どもたちが抱える苦しみを知ってもらえるきっかけになると思います」と語った。そして、「どんなことがあっても、子どもたちの思いを受け止めてあげたいと、改めて感じました」と、母としての思いを重ねた。

出演者たちは、映画のタイトルにちなんで「青春エピソード」を披露しました。
中学生の頃にスカウトされ芸能活動を始めた瀬戸は、「撮影を通して青春を体験しているようでした」と振り返り、同世代の共演者たちと過ごした時間が印象的だったと語りました。「一緒に食事をしたり、宿に泊まったり、夜は星を眺めたり花火をしたり…撮影の合間にも“まさに青春だな”と感じる瞬間がたくさんありました」と当時の思い出を温かく語りました。

また、高校3年生まで演技レッスンに通っていたという田辺は、「同世代の仲間と、どうやってアイデアを引き出していくかを模索しながら、身近な場所で一緒に取り組んでいた時間が、私にとっての青春でした」と、学び合いながら過ごした日々を振り返りました。
さらに、中高でダンス部に所属していた新井さんは、仕事の都合で練習に参加できない時期もあったものの、「久しぶりに参加したとき、『待ってたよ』と迎えてくれて。そんな仲間と過ごせる時間に、青春を感じていました」と、仲間の温かさに触れたエピソードを語っていました。

渡邉は「小・中・高の12年間、バスケットボール一筋でした」と語り、自身の青春時代を振り返りました。特に高校時代の思い出が印象深いといい、「夏休みの練習後に、みんなで近くの公園に行って、水風船で遊んだことがありました」と懐かしそうに話しました。また、「部室でこっそりたこ焼きパーティーを開いたところ、部室棟のブレーカーが落ちてしまい、すごく怒られたんです」と笑いを誘うエピソードも披露しました。
一方、佐藤は「IMP.としてデビューしてから、YouTubeで“未来の自分に手紙を書く”という企画に取り組んだことが印象に残っています」と語りました。「メンバー7人それぞれが、グループに対する思いや本音を綴り、それを全員の前で読み上げました。すると、想像以上に涙があふれてきて、みんなで肩を抱き合ってホテルに戻りました」と感動的な一幕を振り返りました。その翌朝には「寝起きドッキリの撮影があって、“さっきの涙を返してよ”と思わず笑ってしまいました」と続け、会場には温かな笑いが広がりました。
渡邉はイベントの最後に、本作が描くテーマについて自身の言葉で語りました。「この映画では、学生たちの人間関係の悩みや葛藤が描かれていますが、そうした悩みは若者に限らず、大人になってからも抱えるものだと思います。人は知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり、また傷つけられたりと、人間関係に悩むことは多いはずです」とした上で、「時には自分がより生きやすくなるために、何かを手放す選択が必要になることもあると思います。それをネガティブに捉えがちですが、実は前向きな一歩であることもあるんです」と思いを語りました。「この映画は、そんなメッセージを優しく伝えてくれる作品です。観終わった後に“明日も頑張ってみよう”と思ってもらえたらうれしいです」と、観客への温かいエールを送りました。
続いて佐藤も、「この作品には、人が生きていく中で感じる優しさや温もり、人間関係に悩む苦しさ、気づいたときの心の揺れ、そして青春の甘酸っぱさなど、さまざまな感情が詰まっています」とコメント。「映画を観た後には、生きていく上での何かしらのヒントが得られるのではないかと思います。ぜひ多くの方にこの映画をご覧いただき、感想を共有してもらえたらうれしいです」と呼びかけ、イベントは温かな雰囲気の中で幕を閉じました。

『青春ゲシュタルト崩壊』
ある日突然、【青年期失顔症】を発症してしまい、周囲に知られてしまうことを恐れた朝葉は誰にも言えず1人で悩んでいた。そんな、朝葉の異変に気が付いたのは、唯一、同級生の聖だった。聖は朝葉に「今までと変えなくていいの?」と問いかける。彼に振り回されながらも、朝葉は本当にやりたいこと、好きなことは何か、自分自身を見つめ直しはじめ、次第に聖の存在が朝葉の中で大きくなっていく。同じく聖も朝葉と一緒にいるうちに、ずっと抱えていた“あること”に向き合うように──。
出演:佐藤新(IMP.)、渡邉美穂、田辺桃子、新井美羽、水橋研二、濱田龍臣、藤本洸大、河村ここあ、福室莉音、愛来、戸田菜穂、瀬戸朝香
原作:丸井とまと「青春ゲシュタルト崩壊」(スターツ出版刊)
主題歌:「青空」マルシィ(UNIVERSAL SIGMA)
脚本:三浦希紗
音楽:牧戸太郎
監督:鯨岡弘識
企画・プロデュース:横山祐子
プロデューサー:伊藤聖
制作プロダクション:AX-ON
日本公開:2025年6月13日(金)公開
配給:NAKACHIKA PICTURES
公式サイト
©映画「青春ゲシュタルト崩壊」製作委員会