映画監督デビューの夢を直前で奪われてしまった花子と、空気の読めない男・正夫が運命的な出会いを果たし、花子の家族を巻き込んで理不尽な社会へ反撃する物語を描いた本作。松岡茉優が花子、窪田正孝が正夫を演じ、佐藤浩市が花子の父親役、池松壮亮が花子の兄役として出演しています。石井裕也監督は、新型コロナウイルスのパンデミックを経験し、映画館の客席が埋まることが当たり前ではないことに気付いたと述べ、多くの観客が作品を観に来てくれて嬉しいと感慨深げに挨拶しました。
MCから映画に対する熱い感想がいくつか紹介された際、松岡は共感される多くの人がいることから、この物語がマイノリティの話ではなく、多くの人に共感を呼び起こす作品であることを強調しました。窪田も、若葉竜也や池松壮亮など、石井監督の作品に出演する俳優たちが作品の土台を築いてくれたおかげで、彼らとともに全力で演じられたことを喜んで述べました。
石井監督は、この映画を一言で表現するのが難しいと語りましたが、最近佐藤浩市と飲んでいる際に答えが浮かんだと明かしました。しかし、佐藤はその言葉を覚えていないと困った表情を浮かべ、石井監督は笑顔で佐藤の言葉を紹介しつつ、この映画は無茶をして作られた作品であり、脚本から撮影まで短期間で進行したことから、俳優やスタッフが一丸となって楽しんで制作し、特別なエネルギーが生まれたと説明しました。
劇中の「推しキャラ」について尋ねられた際、若葉竜也は池松壮亮が演じる誠一の名前を挙げ、実際に家族に兄がいる若葉自身が、「自分の兄弟とリンクする情けない部分があって、愛らしかったです」と振り返りました。一方、池松壮亮は俳優が家族を演じる際、自然とそれぞれの家族関係を持ち込むことに触れ、「俳優って、家族を演じるときにそれぞれの親や兄弟関係を無自覚で持ち込むと思うんですね。自分の妹、父親、弟のことを考えましたね」と語りました。
最後に、佐藤浩市が「MEGUMIちゃんの役」を演じて花子を振り回す映画プロデューサーの役に挑戦したいと述べると、松岡茉優は「浩市さんが演じるなら戦えないかも、私。きつい……」とコメントし、窪田正孝は自身が演じた正夫の家に居候する落合役の仲野太賀との撮影について言及し、「太賀と一緒に撮影したのは1日だけだったんですけど、彼の存在は正夫に変化を与えてくれる。正夫の側面を会話の中で引き出してもらったなと思いました」と述べました。
松岡さんは、映画の中で水を吹くシーンについて語りました。監督から「霧吹きではなく“マーライオン”でいってほしい」とのリクエストを受け、そのシーンに向けて練習したことを明かしました。石井さんは、そのシーンでの松岡さんの演技を賞賛し、「一発で決めましたもんね」と称賛し、窪田さんも「めっちゃきれいだった。いいアーチが描けてた」と褒めました。松岡さんは、「美しい水吹きデビューができました」と満足げにコメントしました。
最後に、石井さんはキャスト全員が作品に真摯に向き合い、愛情を込めて取り組んでいることを指摘し、その結果、作品に躍動感が宿っていると語りました。そして、自信を持ってイベントを締めくくりました。
ギャラリ-
映画『愛にイナズマ』作品情報
公開日 | 2023年10月27日公開 |
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キャスト | 監督:石井裕也 出演:松岡茉優 窪田正孝 池松壮亮 若葉竜也 仲野太賀 趣里 高良健吾 MEGUMI 三浦貴大 芹澤興人 笠原秀幸 鶴見辰吾 北村有起哉 中野英雄 益岡徹 佐藤浩市 |
プロデューサー:北島直明 永井拓郎 中島裕作 | |
製作 | 澤 桂一 長澤一史 太田和宏 竹内 力 エグゼクティブプロデューサー:飯沼伸之 |
音楽 | 渡邊 崇 |
撮影 | 鍋島淳裕(JSC) |
照明 | かげつよし |
録音 | 加藤大和 |
美術 | 渡辺大智 |
装飾 | 塚根 潤 |
ヘアメイク | 豊川京子 衣装:宮本まさ江 編集:早野 亮 |
視覚効果 | 若松みゆき 音響効果:柴崎憲治 助監督:塩崎竜朗 坂西未郁 |
制作担当 | 岡田真樹 プロダクションマネージャー:原田博志 |
製作委員会 | 日本テレビ放送網 HJホールディングス 東京テアトル RIKIプロジェクト |
主題歌 | 「ココロのままに」エレファントカシマシ (ポニーキャニオン) |
配給 | 東京テアトル |
公式サイト | https://ainiinazuma.jp/ |
©2023「愛にイナズマ」製作委員会