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映画『おーい、応為』の初日舞台挨拶

映画『おーい、応為』初日舞台挨拶
日付:10月17日(金)
会場:TOHOシネマズ日比谷
登壇:髙橋海人(King & Prince)、大谷亮平、永瀬正敏、大森立嗣監督

10月17日、映画『おーい、応為』の初日舞台挨拶が東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、主演の長澤まさみさんをはじめ、共演の髙橋海人(King & Prince)、大谷亮平、永瀬正敏、大森立嗣監督が登壇しました。本作は江戸時代を舞台に、破天荒な絵師・葛飾北斎(永瀬正敏)と、その娘で弟子でもあった葛飾応為(長澤)の人生を描いています。

長澤は「映画館まで足を運んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけましたか? 初日の晴れ舞台ということで、白で決めてきました」と、少し照れながらも笑顔で挨拶しました。

北斎の門下生・善次郎を演じた髙橋は「皆さんのもとにこの映画が届いたことを、とても嬉しく思います。撮影は2年ほど前だったので、7割くらいは記憶が曖昧なのですが、楽しく過ごした時間でした。監督や共演者とのやりとりは、今でも忘れられない思い出です」と振り返りました。これに対して長澤からは「でも7割は覚えていない?」と笑顔でツッコミが入り、髙橋は「はい。でも残りの3割にはすべてが詰まっています!」と明るく応じ、会場の笑いを誘っていました。

劇中では、長澤と永瀬が父娘でありながら、絵の師弟でもあるという複雑な関係を演じており、尊敬や愛情、照れといったさまざまな感情が交差する空気感が印象的に描かれています。永瀬との共演について、長澤は「何かを言葉にして決めたわけではありませんでしたが、共通して絵を描くことが好きだったというのが、親子の関係性を自然に作り出してくれたように思います」と語り、髙橋を含めた3人で行った絵の練習が、役づくりにおいて大きな役割を果たしたことを振り返りました。

永瀬も「後半のあるシーンで、北斎にとって大切な人物が先に亡くなる場面があるのですが、そのとき北斎が祈るように前へ出てしまったことがありました。そんなとき、長澤さんが自然に現世に引き戻してくれたように演じてくれた。その引きの芝居にとても感動しました」と語り、アドリブを交えたやりとりによって、親子の絆がより深く表現されたことに感謝の気持ちを伝えていました。

そんな長澤と永瀬の関係を間近で見ていた髙橋は、二人の間に感じた“絆”について、次のように語りました。「ずっと感じていたのは、“血”のようなつながりです。親子としての強さや絵に対する姿勢、お侍さんに対して臆さず接するところなど、共通点が多くて。似ている者同士だからこそ起きる感情のぶつかり合い、それがまさに血のつながりなのかなと思いました」と印象を振り返りました。

また、自身の家族のエピソードも交えて、「僕の父と姉も、似ているからこそよく喧嘩もしますし、でも仲も良いんです。そういう関係に重なる部分がありました」と語り、登場人物同士の関係性をより身近に感じていた様子でした。

続けて、「善次郎という役の立場から見ると、二人が持っているエネルギーや集中力には、少し圧倒されるような部分もあったかもしれません。だからこそ、自分はその空気に飲み込まれないように、自由に、そして楽しくいることが大切だと考えていました。善次郎自身も、きっと同じように思っていたのではないかと感じながら演じました」と、役作りへの思いを語りました。

また、北斎の弟子を演じた大谷は、演出を振り返りながら、「監督と初めてお会いした際、それまで自分なりに考えていた役作りを“いったん全部手放してほしい”と言われました。そのときに感じたものを大切にしてほしいという演出方針は、これまでに経験したことのないもので、非常に印象的でした」と語りました。

この演出スタイルについて、髙橋も共感を示し、「セリフは“その気持ちになってから自然に出してほしい”と言っていただきました。そのおかげで、力まずに現場に臨むことができた気がします」と述べ、大森監督の現場づくりの柔軟さと自由な空気が、俳優たちの自然な演技を引き出していたことがうかがえました。

クロストーク中、MCから「本作への参加を通して、役や共演者から影響を受けたことがあったか」という質問が投げかけられました。

長澤は「皆さんから本当に多くの刺激を受けました」と前置きしながら、「永瀬さんからは、作品とどう向き合い、表現と向き合うかという姿勢を学びました。髙橋くんからは、日々変化しながらもその変化にとらわれず、前向きに成長していく姿に影響を受けました。そして大谷さんは、役柄の雰囲気も相まって、どこかひょうひょうとした軽やかさで演技に臨む姿がとても印象的で、その姿勢に学ぶところがありました」と、それぞれの共演者への感謝と敬意を込めて語りました。

さらに、「監督の現場は、本番に臨むまでに自分がどれだけ準備し、役と真摯に向き合えるかが問われる場でもありました。自分の力を試されるような、濃密な時間でした」と振り返り、作品づくりを通じて得た手応えや充実感をにじませていました。

同様の質問に対し、永瀬も印象深いエピソードを披露。「今回は年齢を重ねる役柄だったので、物理的にも精神的にも“だんだん小さくなっていく”ような表現を目指しました。そのため、最初はあえて飲まず食わずでいたんです」と役作りの一端を明かしました。

そんな様子に気づいた長澤が、毎朝手作りのお弁当を用意してくれたといい、永瀬は「本当に美味しかったです。毎日違う内容で、身も心も支えられました」と、笑顔を見せながら語りました。

さらに「富士山での撮影のとき、おにぎりが発芽玄米だったんですよね。それ以来、僕もなるべくしっかり食べるようになりました」と話し、長澤さんから受けた影響が食生活にも及んでいることを明かしました。

これに対して長澤は「お弁当の内容については控えさせていただきます(笑)」としながらも、「自分の分も持って行っていたので、ちょっと“お父様”の体調が心配だったんです」と、親子役ならではの心遣いをのぞかせていました。

「おーい、応為」本ポスター監督・脚本:大森立嗣  キャスト:長澤まさみ 髙橋海人 大谷亮平 篠井英介 奥野瑛太 寺島しのぶ 永瀬正敏
原作:飯島虚心 『葛飾北斎伝』(岩波文庫刊) 杉浦日向子 『百日紅』(筑摩書房刊)より「木瓜」「野分」
配給:東京テアトル、ヨアケ
©︎2025「おーい、応為」製作委員会

公式サイト:https://oioui.com

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