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実写『MOON GARDEN』6月21日公開

ライアン・スティーヴンス・ハリス監督作『MOON GARDEN/ムーンガーデン』が、6月21日に公開されることが決定した。

本作は、世界最古にして最大のファンタスティック映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭のNewVision部門で最優秀作品賞を受賞したダークファンタジー。全編にわたり使用期限切れの10万フィートの35mmフィルムとヴィンテージのレンズを使って撮影が行われた。CGを一切使用せず、プラクティカル・エフェクトを駆使し、ストップモーションアニメと実写を融合して作り上げた、レトロパンクな創造力と狂気、そして人間愛に満ちた物語が展開される。

愛する両親の激しい言い争いに巻き込まれ、階段から落ちて昏睡状態となった5歳の少女・エマ(ヘイヴン・リー・ハリス)。目を覚ますとエマは不気味な暗い森の中にいた。彼女の涙を貪ろうと追いかけてくる怪異から逃れ、両親の声が聞こえるトランシーバーに導かれて元の世界を目指すエマ。その行く手には数々の奇妙な人物や出来事が現れて……。

監督を務めたハリスは、ロンドンで映画を学んだ後に USC(南カリフォルニア大学)映画芸術学部を卒業、本作のプロデューサーでもあるジョン・マイケル・エルファーズとともに制作会社Fire Trial Filmsを設立。『ミッドウェイ』『ムーンフォール』「Those About to Die」等のローランド・エメリッヒ監督作品ほか、Netflixの長編『DARC/ダーク』と『ウィンター・ドリーム〜氷の黙示録』などの編集、音響デザインを手掛けていた。

公開された予告編は、「エマ、起きて」と母親が囁く声で目覚めたエマ(ヘイヴン・リー・ハリス)が不思議な森の中にいるシーンから始まる。光が射す窓から昏睡状態で横たわる自身の姿と側で狼狽する父母を見て「私はここよ!」と必死で訴えるも、エマの声は届かない。両親のいる場所に戻りたい一心で進んで行く先々で怪奇な試練が幼いエマを襲う。古いトランシーバーから聞こえてくる母の声を道標に、小さな少女が最後に辿り着く場所は――。

主人公エマを演じたのはハリス監督の実子でもあるヘイヴン・リー・ハリス。撮影当時まだ5歳という年齢ながら、その小さな身体で様々な困難に直面しても決してあきらめず、健気に立ち向かっていくエマを見事に演じ切る。餓えた歯をガタガタと鳴らしながらエマを執拗に追いかける死神のような恐ろしい怪異「ティース」など、奇妙な生き物や現象はCGを使わず特殊効果が駆使されている。

あわせて公開されたポスターは、怪異な生き物たちが取り囲むダークな世界を背景に、古びたトランシーバーを握り大きな潤んだ瞳で一点を見つめる主人公エマの儚げでありながら強さを秘めた姿が強く印象に残る。少女の行く手を遮るものは何か、迷い込んだ異世界から抜け出すことはできるのか。エマを待ち受ける不可思議な出来ごとを想起させる恐ろしくも幻想美溢れるビジュアルとなっている。

■公開情報
『MOON GARDEN/ムーンガーデン』
6月21日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:ライアン・スティーヴンス・ハリス
プロデューサー:ジョン・マイケル・エルファーズ
出演:オーギー・デューク、ブリオン・デイビス、ヘイヴン・リー・ハリス、マリア・オルセン、ティモシー・リー・デプリースト、フィリップ・E・ウォーカー、モルガナ・イグニス
配給:S・D・P
2022年/アメリカ/英語/97分/カラー/2.39 : 1/5.1ch/英題:Moon Garden/日本語字幕:クアーク亮子
©2022 MOON GARDEN, LLC
公式サイト:https://www.moongarden-movie.com