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劇場アニメ『不思議の国でアリスと』完成披露舞台挨拶

劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』(8月29日 全国公開)完成披露試写会舞台あいさつが22日、都内で行われ、本作で声優を務めた原菜乃華、マイカ ピュ、間宮祥太朗、ブラックマヨネーズ・小杉竜一、山本高広、篠原俊哉監督が登壇した。

1865年に誕生し、世界中で長年にわたって読み継がれ、数多く映像化されてきた名作『不思議の国のアリス』が、日本で初めて劇場アニメーション作品として制作された。

本作では、就職活動に苦戦している大学生・安曇野りせ(CV:原)が、亡くなった祖母から届いた招待状をきっかけに、不思議な世界へ迷い込むことになる。そこで出会った少女・アリス(CV:マイカ)とともに、奇妙な住人たちに翻弄されながらも、ユーモラスでにぎやかな冒険を繰り広げていくストーリーが描かれる。

主人公・りせを演じた原は、完成した作品を観た感想について、「ワンダーランドの映像が本当に美しく、迫力もありました。SEKAI NO OWARIさんの楽曲『図鑑』も素晴らしく、ぜひ劇場で体験していただきたい作品です」と語っている。また、「上映前なので、うっかりネタバレしないよう気を付けて話したい」と、これから観る観客に向けて配慮を見せた。

主人公・りせについて、原は「全体的に自分と似ている部分が多い」と感じたという。特に「石橋をたたいて渡るタイプで、心配性で慎重なところ」が自身と重なると語り、さらに「SNSが身近な日常の中で、人の意見に流されやすいところもあり、同世代の方には共感してもらえる部分があるのでは」と分析していた。

お気に入りのシーンについては、「ラップの場面」と回答。まだ上映前であることから「言っても大丈夫ですよね…?注目してもらいたいです」と、ネタバレに配慮しつつ紹介した。そのシーンでは、自分の気持ちをラップ調で表現するパートがあり、「人生で初めてのラップだったのでとても緊張しました」と振り返る。

また、「監督の前で初めて披露したとき、ブース越しに頭の上で大きな“花丸”を作ってくれたのが印象的でした」と当時のエピソードを明かし、「あまり多くのテイクを重ねることなく、OKをもらえた記憶があります」と、充実感をにじませながら語った。

篠原監督も「確かに一発で良い感じだった。“できるじゃん!”と思いました。これでまたひとつ新しい役柄が増えるかもしれませんね」とコメントし、原さんの挑戦を高く評価した。

その後、小杉が「その反応はもう本人でしょ!」と追及すると、原さんは苦笑いしながら「そ、そ、そ、そうですね」と、思わずラップ調になってしまうほどのリアクションで応じた。ラップシーンについては「自分の気持ちをラップのように表現する場面があって。初めてのラップだったのでとても緊張しましたが、最初のテイクで監督からOKをいただけたのがうれしかったです」と振り返っている。

浦井光を演じた間宮は、「アリスが主人公ではないという点が新鮮で、新しい切り口の作品だと感じました」とコメント。また、収録時の様子については「台本を読みながらも、映像がどう仕上がっていくのか想像がつかない中での作業でした」と振り返り、「完成した映像を観たときは、本当にすごい作品になっていた」と率直な印象を語った。

小杉は「やっぱり自分が演じたハンプティ・ダンプティのシーンが好きです」と語った。その一方で、「実は、収録のときに監督が来られなかったんですよ」と、思わぬエピソードを披露。待っても監督が現れなかったため、スタッフに尋ねたところ「監督と連絡がつきません」と言われ、そのまま収録に臨んだという。小杉は「今日、初めて監督と会いました」と冗談交じりに話し、会場の笑いを誘った。

一連の話を聞いていた篠原監督は、共演の間宮の背に隠れるようにして申し訳なさそうな様子を見せながら、「実は、小杉さんのスケジュールが直前に変更になりまして…その連絡を受けたんですが、うっかり忘れてしまいました」と説明。これを聞いた小杉さんは「えっ、スケジュールを変えたの僕なんですか!?」と驚きを見せつつ、事態を理解した様子だった。

監督がさらに「正確に言うと、時間を間違えてしまって…。でも、録音はちゃんと聞いていましたので大丈夫です」とフォローすると、小杉さんは「聞いてたんですか?電話とかで?」と問いかける場面も。監督が曖昧な返答をする中、「もしかして僕に思い入れないんですね!」と笑いを交えたツッコミを入れるなど、終始和やかなやり取りが続いた。

その後、小杉は「弊社が失礼しました」と場を和ませつつ謝意を述べ、監督も「実はとても楽しみにしていたんです」と話していた。収録時のやりとりについては「音響監督と連携を取りながら進めていました」と説明があり、小杉さんも納得した様子。最後には、「普段の自分とは少し違う声を出させていただきました。演出のおかげで新しい一面を出せたと思いますので、ぜひ注目していただきたいです」と作品への期待を語った。

青虫役の山本は、「青虫はフォロワー数や美を意識して葉っぱを食べるキャラクターなんですが、僕はどちらかというと“やけ食いタイプ”かもしれません」と、ユーモアを交えつつ自身との共通点を紹介。「食に走るところは似ているかもしれないですね」と笑顔を見せた。

アリス役のマイカは、「ハートの女王に挨拶するシーンで、“ワンダーランドで一番偉い存在”に会うという設定だったので、いつもより“お嬢様らしく”話すようにという演出があり、少し苦戦しました」と収録時の様子を明かしたが、監督は「ご本人が思うほど違和感はなく、とても素敵でした」と、その演技を称賛していた。

物語では、主人公・りせがさまざまな経験を通して成長していく姿が描かれていることにちなみ、原にも「最近、自分の成長を感じた瞬間はありますか?」という質問が投げかけられた。

これに対し原は、「筋肉痛が翌々日に出るようになったときに“成長”を感じました」と、ユーモアを交えて回答。学生時代には運動をすれば翌日には体のあちこちが痛くなっていたものの、最近行った20kmのサイクリングでは、その筋肉痛がすぐには来なかったと語り、「あとから大きいのがくるのでは…」と、やや不安げな表情も見せた。

このエピソードには、共演の小杉も「それはむしろ体力がついてるってことじゃない?20kmってすごいよ!」と驚きをまじえたコメント。原は「そうなんですかねえ…でも、今この舞台上で突然筋肉痛が来たらと思うと怖いです」と笑いつつ、思わぬかたちで自身の体力面での成長にも気づいた様子だった。

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

■作品情報
『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』
8月29日(金)全国公開
キャスト:原菜乃華、マイカ・ピュ、山本耕史、八嶋智人、 小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、山口勝平、森川智之、山本高広、木村昴、村瀬歩、小野友樹、花江夏樹、松岡茉優、間宮祥太朗、戸田恵子
原作:『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)
監督:篠原俊哉
脚本:柿原優子
主題歌:SEKAI NO OWARI 「図鑑」(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:P.A.WORKS
配給:松竹
製作幹事:松竹、TBSテレビ
©「不思議の国でアリスと」製作委員会
公式サイト:https://sh-anime.shochiku.co.jp/alice-movie/
公式X(旧Twitter):@alice_movie2025