6月13日に公開される中国映画『舟に乗って逝く』の予告編が公開された。
本作は、中国・江南地域の湖州市徳清出身、1994年生まれのチェン・シャオユー(陳小雨)の長編監督デビュー作。トロントへ留学して映画を学んだチェン・シャオユーだが、現在は故郷・徳清に自身の製作会社を立ち上げ、本作はそこで撮影された。最も愛する監督は台湾のエドワード・ヤン。本作を作るにあたって影響を受けたのは小津安二郎監督の映画だという。また、若手を育成するプログラムに選ばれ、2023年5月に亡くなったチベット出身のペマ・ツェテン監督が脚本から撮影までを指導した。
たくさんの運河があり、かつては舟が生活の要だった町・徳清。母は、昔、舟で嫁入りした。ある日、その母に重い病気が見つかる。その治療を巡って、アメリカ人の夫と上海に暮らす長女と旅のガイドをしながら風来坊のように暮らす弟の意見が食い違う……。葬ること葬られること、逝くこと行くことが幾重にも重なり、家族の物語が描かれていく。
主人公である長女を演じたのは、『人生って、素晴らしい/ Viva La Vida』『開端-RESET-』などのリウ・ダン(劉丹)。本作で金鶏奨助演女優賞を受賞した。
公開された予告編では、老いた母と事情のある娘息子の物語とともに、余白のある映像が映し出されている。そして予告編の最後で、長女役のリウ・ダンが病床の母親に歌いかけるメロディは、日本人には童謡として馴染みのある「むすんでひらいて」。この楽曲、元々は18世紀のフランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーが作ったもので、日本だけでなく世界中に広まり、中国でも愛されている。中国での歌詞は「舟」にまつわるもので、映画のテーマ曲のようにもなっている。
『舟に乗って逝く』
6月13日(金)より、グランドシネマサンシャイン 池袋、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開
出演:ゴー・ジャオメイ(葛兆美)、リウ・ダン(劉丹)、ウー・ジョウカイ(呉洲凱)
監督・脚本・編集:チェン・シャオユー(陳小雨)
製作:ホアン・ファン(黄帆)
撮影:ホアン・イーチュアン(黄一川)
美術:ドン・シャオジェン(鄧暁珍)
音響:チャン・イン(張印)
作曲:ユーション(愚生)
配給:ムヴィオラ、面白映画
原題:乘船而去/英題:Gone with the Boat/99分/2023
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